2007年03月18日

「不都合な真実」と「一人一人主義」

「不都合な真実」という微妙に話題の映画に関して、当初の上映映画館の少なさに観に行く機会を失っていたが、アカデミー賞の「最優秀長編ドキュメンタリー賞」を受賞するなど話題も多くでてきたところで上映する映画館も増えてきそうなので、そろそろ劇場で観ておこうと情報収集をしていたら、こんなブログをみつけた。

「不都合な真実」と「不自然な省略」?
Mangiare!Cantare!Pensare! 2007.01.20)

日本人の低い語学力にかこつけて、作為的に情報を操作することは今にはじまったことじゃないと思うが、気になったのはそこじゃなくで「一人一人主義」というくだり。
そういえば、環境問題に限ったことではないが、こと環境問題に関しては、日本のメディアはこぞって「ひとりひとりができること、、、」のオンパレード。アメリカや欧州などのヒステリックな面ばかり見せつけられて、嫌気がさしているだけかと思ったら、どうやらそれだけではないらしい。
見せつけられている状況自体すでに作為的なものなのだろうが。

政治的決断・アクションは、「倫理的反省」のすぐ先につながっているということです。けれども多くの日本人にとってはどうでしょう?「倫理」イコール「個人的なもの」という等式が成り立ってないでしょうか?その先に、他者との連帯を通じた社会的・政治的アクションや、政治的指導者たちの「決断」がストレートに連想されるでしょうか?
「不都合な真実」と「不自然な省略」?より
Mangiare!Cantare!Pensare! 2007.01.20)

確かに連想されることはないだろう。まあ、そもそも政治的指導者を国民が「指導者」とみなしているか(現在の日本に「政治的指導者」が存在するか)どうかも怪しいところだが、これはおいといて、日常の中でも、倫理的な問題だけでなく、さまざまな局面で「集団」が不自然に否定されているような場面は確かに多い。
「個人」の存在があってはじめて「集団」があることは事実だが、個人主義が社会性を否定するところまでいってしまうと、これはちょっと違うのでは?と感じるのである。

個人が一人一人で世界に直面させられている、そして、それに対してきわめて無防備かつ無意識である日本人は、市場原理に右往左往させられたあげく、どこに向かうのだろうか?
「社会性」を否定すると、その存在の根本的なよりどころであるであるはずの「個人」すら見失ってしまうのではないか。そう考えると、ちょっと背筋が寒くなる。

脱線したが、環境問題は確かに個人の問題に帰するところもある。しかし、社会的・政治的問題として取り組まなければならない問題も多い。もちろん、日本という国として環境問題にまったく取り組んでいないわけではないが、個人と社会的・政治的取り組みを分断して、まったく別のものとして考えているように見えるところが気になる。
個人の取り組みから国の施策まで、もっとシームレスにつなげていくことが本来の民主主義国家のあるべき姿だろう。

ところで、私自身は地球温暖化という問題の原因のすべてがここにあるという考え方に懐疑的な立場であるから、「不都合な真実」も、きっと観た後のコメントはけっこう渋いはず。しかし、だからといってCO2削減などの運動が無意味であるとは思っていない。逆に地球温暖化という問題に限らず、もっと大きな視点から、ただ「消費する」のためだけの産業構造は変えていかなければならないし、そのための無駄はとことんなくしていかなくてはならないと考えている。
だから、その啓発のための一手段として「地球温暖化」はよいネタであるという認識は持っている。で、問題はその啓発の内容だ。

話は変わるが、柏市ではこの3月議会にて「柏市温暖化対策条例」というものが提案されていて、順当に決まる見込みだ。

柏市が地球温暖化対策条例を3月議会に提案

議決されると4月施行で、来年度の柏市の環境行政はそれが中心となって動いていくことになる。その上、私が所属している「かしわ環境ステーション運営協議会」もまた、環境保全課からの事業委託のひとつとして、それに絡んだ「市民に対する啓発事業」をすることになっている。
その企画を考えていかなくてはならないのだが、どうしたものか?
行政から委託された事業の中で、行政の首を締めるようなことはなかなか単刀直入には言えないだろう。

とにもかくにも、どんなアピールをすべきか、この辺はきちんと考えていかなくてはならない。

その前に、とりあえず映画は観てみようと思う。

「不都合な真実」
posted by maz at 21:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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